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クルヒアクルヒ日記

野球と音楽が好きな人です。

#77 未解決の想いを乗せて走るツアー「街路樹にて」の先に待つものとは。圧巻の神セトリをじっくりライブレポ!

去年12月3日 川谷絵音の誕生日に開催された

ワンマンライブ「1988」の終演後に発表されたツアー

 

「街路樹にて」

 

発表当初から胸を躍らせていたこのツアーだが僕は6月16日のツアーファイナルに足を運び、今 過去に類を見ない余韻に浸り溺れている。

このツアーはフルアルバムを引っさげて決定されたものではなく 7年前に発売したシングル「瞳に映らない」のカップリング曲である「幸せな街路樹」をメインテーマとして掲げたものだった。本当の名曲はカップリングに潜んでいるという例は結構あると思うが、この曲もそのひとつで、ファンの中ではとても人気の高い1曲だ。想像するだけでにやけが止まらない。僕にとってそれほど楽しみなライブだった。

 

会場は

昭和女子大学 人見記念講堂

キャパシティー2000人余りのホールだ。

今回のツアーでは初のホール公演だったが、僕個人的な好みとしてはindigo la Endはホールで見たい。そう思っていたのでその点もとても嬉しかった。

僕の座席はステージに向かって右側よりの前方。ギターの長田カーティスに近い。座席に着くとより一層ワクワク感は増していった。ステージの前方には半透明の幕のようなものが貼られていた。

 

開演予定の18時ちょうど頃、会場全体が暗くなりメンバーが順々に登壇していく。

拍手が鳴り止まない中、ステージは明るくなりティスのギターが鳴り響く。イヤホンでは聴き慣れているこのメロディー。一瞬耳を疑った。まさか、まさか、、、。

 

なんと1曲目から「billion billion」

 

全くの予想外の選曲に涙腺のストッパーは最初っから外れてしまった。これはボーカルをかき消すほどのギターが魅力の曲で、本来涙を誘うような曲ではないが止まらないものはしょうがない。隣の席の方も1曲目が終わった時点でタオルを目に当てていたことからきっと僕と同じタイプの方なんだろうと勝手にそう感じ取った。

 

そんな僕ら(勝手に身内にしてしまっている)にホッと一息つかせる間もなく続く2曲目は少しダークなイントロから入る「ハートの大きさ」こうも続けて意外な選曲が続くと脳内は少しパニック状態になる。確かこの2曲はそのせいもあってかサビでまともに手を挙げることすらままならなかった。開演前からかかっていた半透明の幕はスクリーンとなりマーブル状の綺麗な映像が映し出された2曲だった。

 

次の曲に入る前に幕が引き、最新曲「はにかんでしまった夏」が披露された。ライブで聴くのは初めてだったが、これがとても良い。Bメロからサビにかけてのボルテージの上がり方が心地よく、今後ライブでの定番曲になりそうな予感がした。

 

間髪入れずに佐藤栄太郎のドラムが鳴り響く。スピーカーが割と近かったこともあり、全身にしびれを覚えながらの「悲しくなる前に」この曲はとにかく栄太郎がカッコいい。僕の座席からすると完全に逆サイドのドラムだったが、ほぼドラムに釘付け。会場はもう完全に温まりきっている。

 

曲が終わりギターを交換した後に短めの挨拶が入った(確かこのタイミング)。しかし初っ端からちょっといつもと違うテンションでのMCに やはりグダる。「MCあんましない方がいいかな (笑) 曲やります。」といい、コーラスのえつことささみを(以降えつみを)の声が響き渡った。

 

アルバム " Crying End Roll " のリード曲である「想いきり」を披露。アップテンポで明るいのメロディーのこの曲だが意外と歌詞は切ない。ここ1,2年のindigoを象徴する1曲と言ってもおかしくない " らしい " 曲。ドラムのメリハリが聴きどころだと感じる。

 

曲が終わるとえつこのピアノが流れる。心の準備をする。きっとあの曲だ。そう、「冬夜のマジック」だ。ステージのバックにはMVが写され、目はどっちを見ればいいのか、飽和状態となる。折角のライブ、演奏をしっかり見たいがこのMVはとてつもなく良い。なんとも贅沢な悩みどころだった。今は夏だが関係ない。冬に聴けば今と重ねて、他の季節に聴けば冬を思い出す。どうにしろ名曲に変わりはない。

 

このエモい空気感が漂う中、ライドシンバルが3回なり、ギターのメロディーが入った。「夜汽車は走る」が演奏される。会場の雰囲気と選曲がマッチしすぎて心地よすぎる。そしてもうわかる。絵音の声の調子もバッチリだ。ここまで文句のつけようがない。そんな中、僕は次の曲のイントロでまた度肝を抜かれるのである。

 

後鳥亮介(以降ニキ)のベースが響き渡り懐かしの曲が披露された。

「花をひとつかみ」

ライブで聴ける機会が少なく、僕はこの時点で今日1のテンションとなる。思わずリズムを身体で取りたくなる楽しい1曲だった。帰りの電車で真っ先に聴こう、そう心に決めた。MCは宣言通り入る様子もなく、絵音がギターを置く。

 

来る。ドラムスティックがゆっくりとカウントを刻む。もう脳が自然と反応するようになった。" フフッフフー " とえつみをが歌い始める。「夏夜のマジック」にかけられた。indigo のライブで聴かずには帰れないのがこの曲。両A面シングルではなく「悲しくなる前に」のカップリングにしたあたりもこの曲の味を出しているのかもしれない。2サビのあとCメロを歌い、大きな見所 ティスのギターソロがある。んんん、極上。しかも今日はこんなに間近で聴けるなんて。とても幸せである。

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マジックにかけられる中、続くは

「見せかけのラブソング」

先述したアルバム " Crying End Roll " の " 顔 " となる曲だと僕は個人的に思っている。曲中では I love you を繰り返し歌っているが、曲名は見せかけのアイラブユーではない。ラブソングだ。ここでも絵音の高音の聴き心地の良さが際立つ。聴き入っている最中、曲が終わるとステージ上にはスモークが立ち込めた。

それと同時に演奏されたのが

「煙恋」 

しっとりバラード。普段は聞き取りにくい楽器の音も聞き取れるのがライブの醍醐味の1つ。それぞれの楽器をゆっくりと聴いていくことに集中する。しかしスモークの量は思ったより多く、メンバーたちは息苦しくならないのかと少し心配したほどである。曲が終わるとスモークがなくなるまで少し待ったのか、無音の時間が少し流れた。その際に後方の座席から咳き込む音が複数人から聞こえた。スモークが多かったこともあり、観客はそこで一瞬笑うのであった。

 

そこで笑いの原因が気になった絵音は急遽MCに切り替える。原因が何かはイヤモニをしていたメンバーたちにはわかっていない様子で、結局うまく伝わらずにまたグダっとMCが少し入る。その締めに「昔の曲を2曲やります。」といい会場は再び暗くなった。正直こんなキラーフレーズってあるだろうか。ここまで聴いてきて今回はデビュー後の新旧織り交ぜられたセットリスト、むしろ旧曲の割合のほうが多くなっている印象を受ける中 イントロで僕は両手を口に当ててしまった。

 

「彼女の相談」

この曲はインディーズ時代の絵音にしかきっと書けない歌詞であって、それを現メンバーで演奏しているこの光景に自然と涙は流れた。僕は以前からライブで彼女の相談を聴きたいと言っていた。もう帰ってもいいと思うほどに嬉しかった (帰ってない)。特に最後の " あなたなら何回目で気づいた? " からがたまらない。白髭の人にすがるその姿に僕はたまらなく切なさを感じる。

 

そして続くは「スウェル」

きっと僕がライブで聴くのは初だと思う。この2曲は アルバム " 夜に魔法をかけられて " に収録されており、この時期のギターのメロディーが個人的にとてつもなく好きなのである。さらっと書いたが このライブで1番のサプライズ曲はこの曲に決まったとこの時点で確信した。歌詞の全てを正確に解釈することはできないが、そこも含めて至高。間奏もまた聴きどころ。正直聴きどころが多すぎてお腹いっぱいになりそうになった。

 

ここでMCが入る。ライブで昔の曲を聴いて、帰ってそれを聴いてくれる人がたくさんいるみたいで嬉しい、など少し話して話題は打ち上げのことに移る。メンバー全員が揃って打ち上げしていないらしい (笑) 今に始まった事ではないないが絵音プラス誰か という形でしか開催されず結構小規模なんだとか。それでもツアー中はメンバーのサシ飲みツイートでファンの中では大変盛り上がっていた。

 

いつも通りのMCの後、「これから俺ら前出るんだけど盛り上がれますか?」といいギターがジャカジャカと鳴り響く。「最低!!」の文字がステージ後方に映し出されてとうとう「名もなきハッピーエンド」を迎えた。歌詞が写し出される演出で会場は今日1の盛り上がりを更新した。僕自身メンバーの演奏に釘付けになっていたが、後から友人に聞いた話によると「はなれ ばなれ」の歌詞が「は れ ば れ」になるように文字が落ちていっていたらしく、こんな " 粋な " 演出を見逃してしまったことに少し後悔したがそれでも存分に堪能することができた。

 

続くはフェスでもお馴染み「瞳に映らない」

何度聞いても飽きない。MVを初めて見たときは全く意味がわからなかったが、彼女が亡くなってしまったのだとわかった途端グッと切なさが増したのを覚えている。しかしこの辺りからもうそろそろ終わってしまうんじゃないかと寂しい気持ちも生まれつつ、続くイントロにまた驚かされる。

 

Aメロのニキのベースが昇天しそうなくらい気持ちいい「ワンダーテンダー」

テンションが上がりすぎてきっとどの曲が来てもそう思うんだろう、と読者の方には思われているかもしれないが、きっぱり言っておく。そうではない。なんとも完璧なバランスのセトリが敢行されている最中なのだ。アクセントとして最も重要な位置にあったのがこの曲だと思い、今日の影のMVPソングは「ワンダーテンダー」に決定した。

 

このアクセントの後に来たのが神曲と呼ぶにふさわしい

「夜明けの街にサヨナラを」

歌詞の冒頭で " 一度だけあなたに恋をした たったそれだけの話です " と歌い 入るこの曲。どの曲よりも情景が浮かぶこの曲はライブで聴くことによる楽しさもより一層感じられる。 " 甘い夕景が...... " でニキが手拍子をするところ、サビの前にニキが手を挙げるところ、ここら辺もとても好き。そして " 潤った愛す声で " も絵音の声がとても美しい。聴きどころ見どころ満載。

 

そしてMCが入る。今回のツアーは「幸せの街路樹」を歌いたいという絵音の想いから始まったツアーだと言う。音楽をずっと作っていると、昔の自分にしか作れない曲とかがあってそれに嫉妬することもあって。昔の曲も今聴くと全然違う風に聴こえるし恥ずかしくなったりもする。でも「幸せな街路樹」だけには歌詞を書いた7年前と同じ気持ちを抱いていて、そのもやもやが解決できなくて今回のツアーで見つけたいと思っていた。でも結局見つけられなかった。それが逆に音楽を続けている理由なのかもしれない。今日は本当にありがとうございます。と言って本編最後の曲「幸せな街路樹」を披露した。バックには雨の降る街路樹の映像とそれに合わせたダンサーが影として映し出された。" 雨の匂いがしたって " から始まるこの曲にはindigo la Endの音楽に対峙する強い想いが表れた気がした。そしてそれを体現するダンサーの方にも僕は魅了された。批判的な意見の多いダンサーの演出だが、ダンスの中にうまく傘を取り入れて歌詞を表現し、ライブ自体に深みが増したような感じがした。曲が終わるとメンバーは楽器を置き、言葉を発さずに舞台袖へと消えていった。

 

とてつもない余韻に襲われる。このままここで眠りたいと思ったがアンコールの拍手が徐々に沸き起こる。その拍手に答えるようにメンバーたちは程なくして戻ってきた。

 

栄太郎とニキは衣装をグッズTシャツに着替え、ティスはグッズのサコッシュを着けて登場した。「長田さんによる物販紹介!!」と絵音が振る。予想通りティスはゆるーく物販を紹介した。公演8回目にしてこの感じは流石のコミュ力の低さである(ちなみにこれはディスではなく褒めている)。Tシャツ紹介ではこのファイナルだけブラックの発売をしたことに触れ、地方勢からのバッシングは覚悟の上。と言っていた。タオル紹介はヤバかった。「タオル、いくらあっても平気っしょ。1800円だし。」以上。これはやばいと絵音も思ったのかすぐさまツッコんでいた。" かっさ " の紹介では絵音が実演して効果を見せていた。正直 割と前列の僕でさえあまりわからなかった。でも面白かったから良い。他にもニキの靴ベロの話とかファンクラブ名の話など諸々あったがこのライブレポはMCを詳細に書くことが目的ではないので割愛することにする。「アンコールは2曲やります。その前に写真を撮ります。」といいパシャリと撮った。アップされた写真を見るとハッキリ僕も写っていた。これまた嬉しい。

 

それはまあ置いといて、この時点で聞き逃したくない曲が1曲残っていた。「蒼糸」を僕はとても求めていた。トリにこの曲はまずないだろうと考えていた僕にとっては次がそのラストチャンスだった。

 

流れた。最も求めていた「蒼糸」が披露された。何度聴いても泣いてしまう。正直嬉しすぎてあまり記憶にない。でもその瞬間とてつもなく幸せだった。以前ほかのブログにて 2018年ベストソングとして「蒼糸」をあげていたように歌詞もメロディーも深く心に染みるのだ。もう、満足だよ。

 

でもあと1曲。最後は果たしてどの曲だろう。最後のMCが入った。絵音は心に抱えている普段言えない想いを伝えてくれたようだ。結構長く話していたと思うが部分部分でしか覚えていない。 " 僕はいつもギリギリのところで歌っていて、僕はそこでたくさんの人に石を投げつけられてきた。でもそれが身近な人に投げつけられた石だった時心に1番グッとくる。(中略) indigoの曲で救われましたって人がいてくれてとても嬉しい。普段は言わないけど聴いてくれている方には本当に感謝しています。ありがとうございます。" と言い放ち静かに楽器を用意した。

 

" 乾く前に君に触れるんだ " 

 

示し合わせたかのように涙は流れ落ち最後の曲を噛み締めた。歌詞が再びバックに写り 詞がより一層耳に入ってきた。僕にとって今年最後のindigoのワンマンライブの締めにこれ以上ないぴったりな曲でした。オススメの曲はと聞かれたら次から迷わず「心ふたつ」と言うことにします。indigoの良さが1番詰まっているのはこの曲だったのかと今日のライブで確信できた。

 

アルバムツアーでは絶対に見られないこのようなセットリスト。間違いなく今までの全ライブの中で1番良かった。この余韻はどうやらしばらく抜けそうにない。

 

今回のツアーは僕自身ファイナルのみ足を運んだが、10周年イヤーを来年に控えた状況で敢行されたこのツアーには他のアルバムツアーとは違う意味合いを持っているように思えた。まるで今までのindigo la Endの歴史が一本一本の木になって並んでいて その街路樹を巡っているような そんな風に僕の目に 耳には映った。このバンドに出会えて良かったと心から思える。

 

 

興奮冷めやらぬ状態で綴った文章で、読みづらいところもあったかもしれないが 最後まで読んでくれた方に感謝しています。

このライブレポを読んで1人でもindigo la Endのライブに足を運んでくれる方が増えてくれればとても嬉しく思います。後悔することはありません。ではまた。

 

 

セットリスト
  1. billion billion
  2. ハートの大きさ
  3. はにかんでしまった夏
  4. 悲しくなる前に
  5. 想いきり
  6. 冬夜のマジック
  7. 夜汽車は走る
  8. 花をひとつかみ
  9. 夏夜のマジック
  10. 見せかけのラブソング
  11. 煙恋
  12. 彼女の相談
  13. スウェル
  14. 名もなきハッピーエンド
  15. 瞳に映らない
  16. ワンダーテンダー
  17. 夜明けの街でサヨナラを
  18. 幸せな街路樹

(Encore)

19.  蒼糸

20.  心ふたつ