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クルヒアクルヒ日記

野球と音楽が好きな人です。

#87 独りのエース

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セ・パ交流戦の全日程が終了した。

 

巨人は23日のソフトバンクとの首位決定戦で破れ

5年ぶりの優勝を逃した。

 

終戦を託されたのは

エース・菅野智之

対するソフトバンクの先発は

先日怪我から復帰した和田毅

 

胸を躍らせるようなこの対決は

試合開始わずか30分程度で結果の見える試合と

なってしまった。

 

菅野の大乱調。

プロ最短1回0/3で4失点降板。

去年の菅野であったら信じられない結果だ。

 

しかし今年においてはその伏線がなかったとは

言い切れない。

 

今日はそんなエース・菅野の今季を振り返っていく。

 

菅野は今年も12球団最速で決定した開幕投手だった。しかし開幕戦は昨年優勝の広島相手に7回1失点と粘投するも援護なく負け投手となった。この負けに関しては責めることは無いと思う。味方が1点も取れなければ勝つことは無いのだから。だが菅野にしては珍しく3四球。ここだけ少し " 気がかり " だった。

 

その後2登板に関しては球数は多いものの、7イニング以上投げ奪三振数も多く、失点はソロホームランのみ。特別良くもないが悪いわけでもないようだった。

 

しかし4登板目の4月19日阪神戦あたりで " 気がかり " が " 異変 " であるように感じ始める。

この日は6回まで3安打無失点で球数100球程度と、球数以外は文句なしの結果だった。しかし7回に2本のヒットを打たれ、終いに3ランホームランを打たれてイニング途中での降板となった。

ここ数年の菅野はイニング途中の降板がほぼなかったため、勝ち投手になったとはいえ本人にとって悔しい日になったに違いない。

 

そしてここで課題が浮き彫りとなる。

それは本塁打(ホームランを打たれた数)である。今季ここまで投げた試合全てで菅野はホームランを打たれており、失点は全てそれらによるものだった。

菅野は自分の投球論として、全球に全力を注ぐわけではない、と以前の特集で言っていた。自身の中でギアを上げる場面、力を抑える場面で投げ分けているという。それは成績にもハッキリと表れていて、得点圏にランナーを置いた状況で昨年はほぼヒットを許さなかった。長いイニングを投げるために自身で工夫していることで、それは上手く機能していた。

しかしこの日打たれたホームランはランナー1,3塁の場面。相手は新人の木浪聖也でありパワーのあるバッターではない。きっとギアを上げたはずが打たれたホームラン。これには大変驚いた。今年の菅野は何かが違う。

 

このモヤモヤを断ち切って欲しいと皆が願う中4月25日のヤクルト戦。菅野は悪夢のように打ちのめされた。3回には青木・山田・バレンティン三者連続ホームランを喰らい、3回1/3で12安打7失点という散々な結果。首脳陣は試合後にその原因について「ボールが真ん中に集まってしまっている」とあっさりコメント。

それだけだろうか?

この時点で菅野はリーグワーストの被本塁打数となってしまった。この日本のエースの緊急事態にスポーツ番組は特集を各所で行い、昨年の投球数過多の影響があるのではないかと指摘した。プロに入ってから一昨年までの菅野の年間投球数は2800球くらいが最多だった。しかし昨年はポストシーズンを含め3200球を超えている。唐突な球数の増加が影響しているのではないかと説くのだ。

そんなことを言ったところで、それではシーズン中に復活するのは難しいのか。そう思う人も少なくない中、令和初日の登板で菅野は1失点の完投で勝ち投手となった。完封目前というところでタイムリーを打たれ失点するも、10奪三振と球のキレも戻ったようなピッチングをした。

" 戻ったような " だ。次回登板でまた菅野は打たれる。味方の大きな援護で勝ち投手にはなったが6回8安打5失点1被本塁打だ。1つ良い登板をすると次で崩れてしまう。安定しないのだ。どこか負傷しているのか。それならまだ原因がハッキリして治しようがあるが原因不明だとそれは困る。プライドも責任感も強い菅野は人一倍それを研究して調整してくるはず。そう期待する。

 

そしてとうとうぶっ壊れてしまった。

5月15日の登板で6回途中10失点と阪神相手に大敗を喫した。今までは " まさか " と驚くファンたちもその声は " またか " に変わってしまった。菅野の二軍降格が決まった。肘の違和感が少しあるらしい。むしろここまでよく一軍で投げさせたと思う。

そしてこれら菅野の登板は女房役・小林誠司にも大きく影響する。小林は菅野からの信頼厚く毎回バッテリーを組んでいたがそのリードが悪いのでは、という首脳陣の考えより出場機会は激減。昨オフ西部から入団した炭谷、強打の若手・大城がスタメンは交互に座るようになった。

 

ここら辺で皆さんは何か思わないだろうか。

プロ野球には投手コーチというものが付いているのではないか、と。指導者は一体何をやっているのか、と。

一軍の投手コーチは宮本が務めている。今年初のコーチとして原巨人に取り込まれた。エース菅野はもう完成していると踏んでいるのか、踏み込んだアドバイスを送れているのか僕には心配でならない。原監督の甥っ子であり日本のエースである彼を自分の一言で狂わせたら、と考えてしまうのかもしれない。ここはあくまで僕の推察に過ぎないが彼に任せっきりなのではないかと思う。

 

それを裏付けるような出来事も起きる。二軍降格してから19日後の6月9日に菅野は復帰登板となったが、それは本人がOKサインを出した、とのこと。菅野は一軍復帰でさえも自分で決定できるのか、と僕は呆れてしまった。どんなに素晴らしい選手であれ選手は選手、コーチらが状態を見て上げるか上げないか決めるのではないか、と思う。

そしてその復帰登板、菅野の投げる先にいつもの捕手・小林の姿はなかった。捕手は炭谷、公式戦初のバッテリーだ。結果は6回2失点。悪くはないと言ったところだろうか。内容は決していいものではなく4四死球と荒れていた。今季死球を与えていなかった菅野について、あるスポーツ番組では " コントロールが良すぎるが故に打たれる " のではないかとも謳われた。死球が0ということはインコースの球でも打者は踏み込んで打てる。その安心感が逆に良くないかもしれないという内容を聞いていた僕は、今回の登板が吉と出ればいいと思った。そして次には捕手・小林に戻ってほしいなと。

しかし次の登板でも捕手は炭谷だった。初回にいきなり3失点。言わんこっちゃない。だが次の回からピタリと抑え7回3失点とよく粘った。スポーツ番組・S-PARKによると、初回と2回の間中ずっと菅野はキャッチボールをして肘の位置を確かめていたという。肘が上がりきっていないというところに自信が気がついてそれを次の回から直したらしい。さすがの調整能力。試合中に完璧に修正してくる点はさすがとしか言いようがない。

そのピッチングを初回からできればエースは復活したとも言えるかもしれない、と僕は思った。だが試合後のコーチへのインタビューで衝撃的な発言がされた。宮本コーチは " エース完全復活といったところでしょうか " と言い放った。

 

 

投手コーチなんてやめちまえ。

巨人軍から立退け。

 

 

完全復活?笑わせないでくれ。

 

昨年の菅野を知らないのか。2回からは抑えたから自分が指導することはないって言いたいのか?誰がどう見ても復活とは言い難いだろう。

 

正直今の巨人は菅野に頼り過ぎている。そして彼のピッチング内容の修正も全て任せ過ぎているように思える。菅野ならできる。なんとかしてくれる。そう思い過ぎやしないか。

 

最高の女房役を彼から奪ってもなおよくそんな発言ができるな。

 

 

菅野は現在、不定期で連載を書いている。

連載名は「繋ぐ」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190618-00000002-sph-base

ここには小林に対する気づかい、想いが綴られている。是非読んでほしい。

 

先程は僕の怒りを露わにしてしまったがそれも少しは理解してもらえるような事実がまだ残っている。

 

それが冒頭に書いた交流戦終戦だ。

正直僕にとって不安もありつつ迎えたこの試合だが、結果は想像をはるかに上回る悲惨なもの。そして原監督は試合後に怒りをぶつけた。「あんなピッチングにリズムもへったくれもない」と。

 

それは任せ過ぎた代償なのでは。

もう少し菅野に気づかいを。

選手たちに気づかいを。

 

そして優秀な投手コーチを用意してくれ。

江川だって桑田だっていいじゃないか。

宮本だけは今季で解雇してくれ。

 

 

近いうちに小林とのバッテリーを見れることを願う。

 

背番号18が壊れてしまう姿を俺は見たくない。

 

きっとこの右手が菅野には必要だ。

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